2025年8月22日更新
・目次と主な記事をお知らせします。
●目次
- 8月の戦争特集 今も抱える心の傷
- 私の困った、私の要求⑱ 1人じゃ足りない通訳介助者 村上 晃(岩手県)
- ご案内 病マ連例会「あはきの医師の同意書が出ないと諦めている人集まれ」
- 報告 天海裁判、最高裁が東京高裁に差し戻し 上村宏則(千葉県)
- 報告 点字等による母子手帳で「こども家庭庁」要請 女性部長 菅野 恵子
- 報告 女性部代表者会議と学習会
- 地域からのお便り 夏期学習会「災害対策」 安達孝次(福島県)
- 連載 点字200年に思う③ 点字を公式の文字に 志水克典(岡山)
- 全視協 事務局コーナー
- 1 原水禁大会代表・会場変更
- 2 その他の活動記録
- 全国と地域の主な予定
- (目次、終わり)
●主な記事
・私の困った、私の要求⑱ 1人じゃ足りない通訳介助者 村上 晃(岩手県)
結婚当初は、弱視の妻が全盲の私を連れてさほど不便を感じることなく出かけることが出来ていました。
妻は12年前の交通事故がもとで、左耳が突発性難聴になり、見えていた左目も視力低下と視野狭窄を起こす事態となりました。突発性難聴はステロイド投与もむなしく回復しませんでした。左目は白内障が進んできていることもあって徐々に見えにくくなっているようです。
右耳はずっと以前から難聴があり補聴器である程度の聴力を確保していました。補聴器は、その時々の聴力に応じて調整してもらう必要があります。3年前に補聴器での聴き取りが困難になり、人工内耳の埋め込み手術を受けました。その後のリハビリのお陰で日常会話や携帯電話でのやり取りは何とかこなしています。
2人で電車やバスを利用して出かけるときは、私が耳の担当、妻が目の担当と役割分担をして行動することが多いです。停車駅の案内放送の説明放送を聞くのは私の役目、それ以外の移動などは2人の共同作業です。
私は、妻に伴って多くの盲ろう者の方々と交流することが多くなりました。交流する中で、盲ろう者1人に介助者1人では足りない場合があるということを知りました。一例を上げれば、長時間に及ぶ会議や講演会に参加した場合です。介助者の仕事は、会場までの移動支援、会場内の状況説明、話の内容の通訳などです。それを1人でこなすのは負担が大きすぎる、と私も思います。特に公共交通機関を利用した場合です。
交通運賃の割引では、障害者1人に介助者1人が対象になりますが、2人目の介助者は対象外です。 一部の自治体ではこのことに理解を示され検討がなされているとも聞いていますが、多くの事業者はこの実態を知らないようです。私は、家族の立場から、1人でも多くの方に盲ろう者に対するご理解とご支援をいただけますよう、活動していきたいと思います。
(この稿、終わり)
★「点字民報」の全文をお読みになたい方は、全視協の会員になっていただくか、読者になってください。