■点字民報 2025年9月号 通巻711号

目次と主な記事をお知らせします。

・目次

  •  私の困った、私の要求⑲ ホーム転落、今も足がすくみます 永澤 信幸(東京都)
  •  新入会員 太田里菜さん(埼玉県)
  •  ご案内 オンライン交流会「私の断捨離」
  •  報告 原水禁世界大会・長崎大会 ハプニングと感動の3日間 菅野 良子(京都府)
  •  報告 フードサービス協会と懇談 手をつなごう集会代表 伊藤 慶昭
  •  紹介 詩「光のシャワー」  鈴木 洋(新潟県)
  •  地域からのお便り 「空襲体験を聞く会」 福岡視友協福岡支部
  •  お礼 演劇「ほうせん花Ⅳ」東京公演成功のお礼と報告 原田 義雄(岡山県)
  •  最新情報 雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業 実施状況
  •  連載 点字200年に思う④ 点字での文通の思い出 牧之瀬 初音(福島県)
  •  全視協 事務局コーナー
  •   1 第1回全国委員会
  •   2 HPが再開しました
  •   3 原水禁大会代表派遣
  •   4 その他の活動記録
  •  全国と地域の主な予定

(目次、終わり)

・主な記事

私の困った、私の要求⑲ ホーム転落、今も足がすくみます 永澤 信幸(東京都)

私は63歳。左目は光覚で右目は0です。街灯やコンビニの明かりが見えることがあります。元々弱視でしたが5・6年前頃から視力が落ちてきました。

世田谷の自宅から職場がある西武線一橋学園駅まで電車を4本乗り継いで通勤しています。通勤時間は片道2時間程掛かります。デイサービスの事業所でマッサージをしています。9時半から17時迄、シフト制で土日も出勤します。

先日、8月2日の朝8時過ぎ、JR中央線吉祥寺駅の4番線ホームから転落しました。その日は土曜日でそれほど乗客はいませんでした。通路からエスカレーターに乗ってホームに上がりました。左側の3番線ホームに行くつもりでしたが、何故か右側の4番線ホームから線路に転落しました。

気を失わなかったので立ち上がり、先ず手荷物をホームの上に置きました。どなたかが緊急ボタンを押してくれて、ブザーがけたたましく鳴り響きました。駅員が駆けつけ2人で私を引き上げてくれました。ホームに上がるまでとても長く感じました。後で気付いたのですが、この時間は1分後に特急電車が通過します。緊急ボタンを押して下さって有り難く本当に命拾いしました。車椅子が用意され救急車を呼ぶため、ホームを離れました。駅員は車椅子を押しながら「本当に早くホーム柵を付けてほしいですよ」と繰り返し言っていました。

救急車が走り出すまでに30分以上掛かったでしょうか。病院を探したり、怪我の状態を把握するためです。鎖骨の骨折、手足のすり傷、頭部の軽い打撲でした。現在は鎖骨の固定だけですが、手の動きが不自由です。その他に時々体のふらつきもあります。

転落した原因を考えてみました。前の日に、妻が体調不良で入院してしまい、その手続きやなにやらで夜遅く帰宅し寝不足状態でした。その日は、ホームに上がるのにエスカレーターを使いました。階段は上った所に点字ブロックがありホームの方向が分かりやすいのですが、下りてくる人とぶつかって時間が掛かってしまいます。エスカレーターは人とぶつかることはありませんが点字ブロックはありません。土曜日は平日と異なり人の流れに乗れなかったのではと思います。

単なる勘違いだと思うのですが、勘違いはよくあることです。勘違いからホーム転落、命を落とすことに繋がってしまうというのは納得できません。ホーム柵はいずれは設置されることになっていますが、それまでの対策をぜひしてほしいと強く思います。心の傷が癒えるまで、駅員の誘導をお願いすることにします。

皆さんもどうぞお気を付けください。

(聞き取り:藤野喜子)

(この稿、終わり)

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